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大規模災害被災後の生活再建のてびき④~紛争・トラブル~

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大規模災害の被災地では、生活再建を進めるに際して多くのトラブルが発生します。
賃貸借契約、雇用、労働問題など、トラブルの内容は多岐にわたります。
ここでは代表的なトラブル事例をQ&A方式で紹介します。
被災後はどのようなトラブルが生じやすいのか事前に把握しておきましょう。

「修繕」
Q1.災害で借りている家が一部損壊しました。借家の修繕を大家に要求することはでき
ますか?
A1.大家は建物の修繕義務があり、大家に対して修繕を求めることができます。
また修繕期間中、建物を一時退去するよう大家から求められた場合には、賃借人は
これに応じる必要があります。

「立ち退き」
Q2.地震で一部損壊した借家に住んでいます。損害部分を修繕してもらって住み続けた
いのですが、大家は多額の費用がかかるため、建物を取り壊したいと言っていま
す。借家からの退去をもとめられていますが、退去しないといけないですか?
A2.退去しなければいけないかどうかは、建物の損壊の程度だけでなく、修繕にかかる
費用、建物の耐用年数など様々な要素を総合的に判断して決定されるため、一概に
は言えません。取り壊しの妥当性、再築の有無や再築後の再入居の可否、立退料な
どの補償の有無などについて、大家と細かく話し合う必要があるでしょう。

「屋根瓦の落下」
Q3.地震で自宅の屋根瓦が落ちて、隣家の車を傷つけてしまいました。この場合、賠償
責任はありますか?
A3.屋根瓦が落ちて生じた損害の賠償責任は、所有者の場合は無過失責任です
地震などが発生したときに、屋根瓦などの工作物の瑕疵によって損害が発生した場
合には、持ち主(所有者)やその管理者(占有者)は、その瑕疵が損害発生に影響
を及ぼした程度に応じて責任を負うことになります。ただし、その屋根瓦が本来備
えるべき安全性を有していたことが立証できた場合には、工作物の瑕疵は認められ
ず、占有者や所有者の責任とはなりません。

「障害物の除去」
Q4.土砂などの障害物を取り除けば自宅に引き続き住めそうな場合に利用できる支援策
はありますか?
A4.災害救助法による障害物の除去は、災害によって土石、竹木等の障害物が自宅やそ
の周辺に運び込まれ、一時的に居住できない状態にある場合に、市区町村が業者等
に委託してこれを除去するものです。
障害物を除去して元の自宅に引き続き住むことが目的ですから、この制度を利用し
た場合は、応急仮設住宅に入居できないとする運用になっていることが多くありま
す。

「災害廃棄物の除去」
Q5.全壊家屋のがれきや、自宅敷地内に流れ込んだがれきなどを撤去する場合、費用に
関する支援制度はありますか?
A5.災害等廃棄物処理事業として、支援を受けられることがあります。この場合、被災
者が業者等に依頼して、自費でがれきなどを撤去した後でも、り災証明や撤去作業
に関する領収書、作業前後の現場写真などを添えて市区町村に申し込めば、撤去費
用の支払いを受けることができる扱いが過去になされています。

「仕事のトラブル」
Q6.会社が被災したため、失業して収入がなくなりました。何か支援策はありますか?
A6.災害救助法が適用される被災地の事業所に雇用されていた人であれば、災害により
会社が休業し賃金が支払われない場合や、事業再開後に会社に戻ることを約束して
一時的に離職した場合でも、雇用保険の失業手当を受給できます。詳しくは最寄り
のハローワークに問い合わせましょう。