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カテゴリー別アーカイブ: 不動産登記

信託実践研究会に参加してきました

昨日、「株式会社トータル財務プラン」が主宰する
「信託実践研究会」に参加してきました。
金融機関、不動産関係など様々な分野のプロ集団が集まっての研究会で、
特に講義が終わったあとの情報交換会では、実践の名にふさわしい
興味深いお話を聞くことができました。

民事信託とは、資産を持つ人が信頼のできる家族などに資産を預け、
「高齢者や障害者のための財産管理」や「柔軟な資産承継対策」を
実現しようとする財産管理方法のうちの一つです。

以前ご夫婦で相談に来られたお客様の話です。
お客様には子供がおられず、夫婦それぞれの財産の承継方法
についてのご相談でした。
遺言書、任意後見、財産管理契約など様々な提案をさせて頂きましたが、
どれも今ひとつピンときません。
そこで信託という方法がありますよと紹介させて頂いたところ、こんないい方法が
あるのかとすぐに決断して頂きました。
リスクはないのかと逆にこちらが心配したほどです。

信託という方法を使えば、もっともっといろいろなことができそうな気がします。

さらに深く検討していきたいと思います。

権利証書がない時の対処法~事前通知~

所有権移転登記を申請するには、売主は登記識別情報、いわゆる「権利証書」が必要です。
しかし「権利証書」を失くしてしまっている場合、どうすればいいのでしょうか。

どんな事情があっても、権利証書の再発行はできません。

その1 司法書士が「本人確認情報」を作成する
権利証書の再発行はできませんが、司法書士がそれに代わるものを作成して、
登記申請を進める方法です。
司法書士が売主様と直接お会いして、免許証などを確認して本人確認をする
というものです。

その2 「事前通知制度」を利用する
権利証書がない状態で登記申請をします。法務局から売主様宛への「本人限定
受取郵便」にて、登記申請があったがこれが真実かどうかの問い合わせが事前に
通知されます。

私が遺言執行者として、遺贈による所有権移転登記手続きを行っているのですが、
不動産の権利証書がありません。そこで普通なら本人確認情報を作成する所なのですが、
登記義務者は遺言執行者である「私」、登記申請代理人も「私」、自分が自分で本人確認情報を
作成するのも変な感じがしたので、今回は「事前通知制度」を利用しました。

今から、法務局へ「事前通知に基づく申出書」を持参してきます!

韓国籍の相続登記~外国人登録原票の取得~

最近取り扱った、韓国籍の方の相続登記のお話です。

まず韓国から戸籍謄本を取り寄せることから始めます。
取り寄せた戸籍はハングル文字なので、それを翻訳します。
それで相続人が確定できたら、あとは日本人の相続手続きと
同様に、遺産分割協議書などを作成して、登記申請します。

さて今回のケース。
取り寄せた戸籍だけでは相続人が確定できませんでした。

そこで参考資料となるのが、外国人登録原票です。
外国人登録原票の記載事項に、
「世帯を構成する者(続柄・氏名・生年月日・国籍)」があります。
この記載事項をもって戸籍で不足していた情報を補うことができる
ケースがあります。

ところがこの外国人登録原票。法務省入国管理局で一括管理
されているので、取得するのに請求してから1カ月近くかかります。
急いでいる場合には注意が必要ですね。

所有権移転登記後の権利証書

AさんからBさんへ所有権移転登記を済ませたとします。
するとBさんの新しい権利証書が発行され、
Aさんが所有していた権利証書は用済みとなります。

ところがAB間の売買に何らかの錯誤があって、無効となってしまいました。
Bさんへの所有権移転登記を抹消することになります。
すると、一度用済みになったAさんの権利証書はその役割を取り戻します。

今日、お客さんの権利証書を事前確認していたのですが、
その権利証書がまさに上記のケースでした。
大切に保管されていたのですね。

権利証書をもう処分してしまったよ~という場合には、
司法書士による本人確認情報でもって権利証書に代えることになります。
別途費用がかかっちゃいますけど・・・

法定相続情報証明制度

不動産の登記名義人(所有者)が死亡した場合、所有権移転登記(相続登記)をすることになりますが、相続登記が未了のまま放置されている不動産が増加し、これがいわゆる所有者不明土地問題や空き家問題の一因となっています。

このため、政府として相続登記の促進に取り組むとされ、そこで検討されているのが、不動産登記規則を改正による、「法定相続情報証明制度」の創設です。

「法定相続情報証明制度」とは。
①法定相続情報一覧図(家系図みたいなもの)を作成し、その作成の根拠となった戸籍一式と共に法務局に提出します。
②登記官がその情報を確認し、法定相続情報一覧図を保管します。(戸籍などは返却されます)
③法務局は、認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを交付します。
④この一覧図をもって、法務局や銀行、保険など各種手続きを進めていくことができる。
というものです。各関係機関にいちいち戸籍を持っていかなくてもいいということですね。
(というか相続手続きを受け付ける側が楽になるだけのような感じがしないでもない)

手続きとしては便利になるのでしょうが、これがどう所有者不明土地問題や空き家問題の解決につながっていくのか、さらなる改正案が出てくるのか、注視していきたいと思います。

権利能力なき社団

「権利能力なき社団」とは、
公益も営利をも目的としない、「団地自治会」「学友会」「町内会」などです。
法人登記されていないため、登記名義人となることができません。

登記名義人となることができないため、登記をする必要が生じた場合、
社団の構成員全員の名前で登記するか、代表者の名前で登記するかしか
方法がありません。
構成員全員の名前で登記されている場合、何十名となることも少なくありません。
そのような登記簿を実際何度か見かけたことがあります。

さてこのような不動産を売却することとなった場合、登記義務者が何十名だと
かなり大変な作業となります。しかもそれは身内ではなく、赤の他人同士の
集まりなのですから、想像を絶する作業になるでしょう。
しかもその内の一人が行方不明である場合、どうすればいいのでしょう。

そのような場合、「認可地縁団体による公告を求める旨の申請手続き」というものが用意されています。(自治法260条の38第1項)
条件を満たせば、市役所が「この不動産は認可地縁団体のものである」旨の証明書を発行し、その証明書をもって法務局に申請すれば、その不動産は認可地縁団体名義で登記されることになります。
そしてその後売却の手続きをとればいいことになります。

この手続きは平成27年4月1日から施行されております。

登記研究826号より

相続登記をする時期

以前から顔を見知っているAさん。 
ふらっと事務所に相談に来られました。

「亡くなった主人の13回忌も終わったし、そろそろマンションの名義変更しようかしら」

相続税の申告は10カ月以内にするという制限がありますが、
相続登記はいついつまでにしなければならないという決まりはありません。
だからご主人名義のままにしておいた登記を、13回忌を区切りとして、
奥様に変えるということは、法律上全然問題ないんです。い~んです。

ただ以下のような問題が出てきます。
1 相続登記の必要書類の中に、ご主人の住民票の除票があります。 
  死亡後5年を経過すると、役所は除票を破棄してしまいます。
  上申書など別途作成する書類が増えてしまいます。

2 相続登記をしない間に、相続人の一人が死亡してしまい、
  子どもの配偶者が相続人になるなど、血のつながりのない人が相続人となり、
  相続関係がややこしくなってしまいます。

以上のように手続きがややこしくなったり、費用がかかってしまうように
なってしまうので、落ち着いたらできるだけ速やかに相続登記をした方が
いいのかなと思います。

平成27年度のスタートです

新年明けましておめでとうございます。

本年で事務所を立ち上げてから10年となります。
これも皆様のおかげと感謝申し上げます。
これからもなお一層の精進を努めて参ります。
ご指導ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

さて平成27年度を迎え、改正相続・贈与税制度がスタートしました。
最大の変更点は、相続税の基礎控除がこれまでの6割になった事でしょうか。

昨日相談を受けました。
家族構成は、夫・妻・子ども二人です。
もし夫が亡くなったとしたら、昨年までは控除額が8000万円だったものが、
今年からは4800万円となります。
不動産としてかなりの資産をお持ちなので、この改正はかなりの痛手です。
そこで贈与税の「配偶者控除」の特例を使って、夫名義の不動産を妻名義に
変更する登記を行うことにしました。
「配偶者控除」の特例とは、婚姻期間20年以上の夫婦の間で居住用不動産の
贈与があった場合、基礎控除110万円のほかに2000万円までの控除が受け
れるというものです。
「贈与」を登記原因とする不動産の名義変更にはある程度の費用がかかって
しまいますが、それを補ってあまりある相続税の圧縮となります。
 

相続登記の出張相談

K不動産会社から相続登記の紹介を頂き、
今日、京都府木津川市へ相続登記の相談に行ってきました。

不動産は尼崎にあります。
この不動産を6月には売却することになりそうなのですが、
①そもそも相続人に名義変更しなければいけないか?
②名義変更するとしたら時間はどれぐらいかかるか?
③売却したことによって税金は発生しないのか?
などのご相談でした。

①相続による名義変更は必ずしなければいけません。

②相続による名義変更をするには、被相続人(亡くなった方)の
出生時から死亡時までの戸籍を集めなければなりません。
よっぽどややこしい場合を除き、1週間から1ヶ月あれば十分だと
思われます。

③ 不動産の譲渡所得税の問題です。
相続を受けてからすぐに売却すると、短期譲渡所得税という
高い税率がかかるかもという心配をしがちですが、被相続人が
物件を取得した時期を引き継ぐことができるので、ほとんどの場合
長期譲渡所得税の対象となります。
また長期譲渡所得税がかかる場合は被相続人がその不動産を
購入した価格以上で売却した場合(利益を得た場合)に限られるので
相続により取得した不動産を売却したことによる譲渡所得税がかかる
可能性は少ないと思われます。
ただしこの話は被相続人の不動産の購入価格が分かる場合の話です。
購入価格が分からない場合、不動産の購入価格は、売却価格の5%と
評価されてしまいますので、譲渡所得税がかかってくることになると
思います。

不動産の名義変更のご相談は阪神尼崎の望月司法書士事務所
電話06-6413-8714
もしくはメールmochizuki@office-wm.comまで
電話相談は9時から22時まで土日祝にかかわらず受付しております。

 

離婚に伴う不動産の名義変更

離婚に伴う不動産の名義変更としては「財産分与」によるのが
普通だと思われます。

その不動産に住宅ローンの抵当権設定登記がなされている場合、
名義変更には銀行の承諾を得る必要があります。
(契約書に、名義変更する場合には銀行の承諾を得なければならない
旨の条項が必ず入っています)

しかし金融機関の承諾はなかなか得られない場合がほとんどです。

そこで離婚による不動産の名義変更の原因を「財産分与」ではなく、
「売買」にします。
つまり名義を受ける側がお金を支払い、その売買代金で住宅ローンを完済し、
抵当権抹消登記をした上で(銀行の関与をなくした上で)、
売買を原因とする不動産の名義変更をすることが考えられます。

売買代金は不動産屋さんに照会して、適当な金額を決定します。
あまりに廉価な価格だと贈与税がかかる可能性があるからです。

売買代金を支払うと言っても、一筋縄に準備できるものではありません。

そこで親からお金を借りる(お金の貸し借りに関する契約書を作成します)
もしくは親からお金を贈与してもらう(相続時精算課税制度を利用する)
など様々な仕組みを考えることができます。

不動産の名義変更には多額のお金が関与します。
無駄な税金を発生させないためにも、慎重な判断が求められます。

不動産の名義変更のご相談は阪神尼崎の望月司法書士事務所
電話06-6413-8714
もしくはメールmochizuki@office-wm.comまで
電話相談は9時から22時まで土日祝にかかわらず受付しております。