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カテゴリー別アーカイブ: 会社登記

会社の印鑑届出の任意化について

第200回臨時国会において、会社法の一部を改正する法律が成立し、
公布されました。

その中に印鑑届出の任意化があります。
会社を設立する時、まずはハンコ屋さんで印鑑を作ることから始まります。
印鑑を法務局に届け出ることにより、その印鑑は実印として使用されます。
これまでは強制でしたが、それを任意にするということですから、
物理的な物としての「実印」がなくなるということになります。

そうすると印鑑証明書も発行できなくなります。
そこで登場するのが、「商業登記電子証明書」です。
いわゆる「電子署名」ですね。
いよいよ電子の社会が、印鑑の世界に及んできたということです。

電子署名に対応するため、事務所の変革も求められるということでしょうか。

コロナと相まって、一気にオンラインの世界へ強制移管することが、
現実となってきました。

印鑑の届出の任意化は、令和2年度中の実現を目指しているとのことです。

TLO ~技術移転機関とは~

産学官連携を活性化するための組織として、TLOというものがあります。
TLOはTechnology Licensing Organizationの頭文字を取ったもので、
技術移転機関の略称です。

技術移転機関とは、大学の研究室が保有している特許権等を企業に使用させて、
対価として企業から実施料収入を受け取り、それを大学に還元することなどを
事業内容とする機関のことです。
つまり、大学(学)と企業(産)の仲介役を担う機関で、
この機関設立・運営を(官)が支援するという構図です。
東大が出資している(株)東大TLOとか京大が出資している㈱関西ティーエルオーなどがすでにあります。

国立大学の研究室から、TLOの設立に向けての相談を受けました。
TLOなるもの、正直知りませんでした。
ただ今勉強している最中でございます。
日本の技術革新に寄与できると思うと嬉しくなります。

また進捗状況をお知らせしていきますね。

会社設立~会社が出資者の場合に注意すべきこと~

会社を設立する時、資本金がいりますよね。
その資本金の出資は、個人だけでなく会社もできます。
つまり会社も株主になることができます。
親会社・子会社という言葉があるので、それは当然ですよね。

ただ一つだけ注意すべき点があります。
今から設立しようとする会社の目的に、出資する会社の目的の
いずれか一つが入っていないといけないということです。
この点は定款認証を行う公証人もチェックします。

目的の範囲外の会社に出資はできないという考え方ですね。

ワインを作りたい!

「ワインを作りたい!」
とある社長が軽井沢を旅行しているときに思い立ったのが昨年の12月。

ワイン作りのセミナーに参加し、勉強しているという話は聞いていました。

そして先週、

「農業法人を立ち上げたい」

という相談を受けました。

長野県でワイン特区があり、そこでワイン作りをやっていきたい。
もう苗は確保している。

ってどんだけ行動早いんや!
と思いましたが、これが経営者の行動力なんですね。

会社作ったり、農業委員会と打ち合わせしたり、
お手伝いさせて頂きます。

長野出張 楽しい仕事になりそうです。

漫画家さんの会社設立

漫画家として活躍しておられる方の会社設立のお手伝いをさせて頂きました。

漫画家さんとの接点は初めてなので、業界の面白い話がたくさん聞けて面白かったです。

その漫画家さん、GW中に誕生日を迎えたのですが、徹夜だったとのこと。

せめて何か面白いアイディアでも提供できればいいのですが・・・

会社登記が遅れた 過料の通知がきた

会社登記は、原則として変更があった時から2週間以内に変更登記をしなければなりません。この期間を経過して申請した場合、「過料」という制裁金が課されることもあります。

この過料、法務局ではなく、裁判所が決めます。過料の範囲は100万円以下となっておりますが、過料の算定方法は公表されておりません。
ただ、1日でも過ぎたら過料を払わなければならないかというと、そうでもありません。

実際には、
1年2ヶ月遅れ・・・2万円
2年遅れ・・・・・・4万円
有限会社の取締役の住所の変更を40年間していなかった・・過料なし
役員の死亡による変更登記を1年遅れた・・過料なし
というケースを聞いたことがあります。

まったく私の感覚ですが、
有限会社は役員変更をしなくていいから、住所の変更登記を忘れていても仕方ないか
役員が死亡したから、後任を選任するのに時間がかかって仕方ないか
など、そのあたりの事情は斟酌してくれるのかな。
ただ、株式会社に対しては厳しくなっているような気がします。
裁判所の裁量ですね。

だから、過料いくらぐらいきますか?と聞かれても私にはお答えできないのです。

速やかに変更登記は済ませておきましょう!

定款認証~法人が実質的支配者となるべき者の申告書~

会社を設立する時に、公証役場で定款を認証してもらう必要があります。
定款を認証してもらう際の添付書類が一つ増えました。それが、
「実質的支配者となるべき者の申告書」です。

以下の内容を申告します。
・氏名、住居、国籍、生年月日等
・ その者が暴力団員に該当するか否か
・その者が国際テロリストに該当するか否か

法人が株主(実質的支配者)となる会社の定款認証を受けました。
申告書の必要書類は、
・申告書
・法人の印鑑証明書
・法人の履歴事項全部証明書
・法人の株主名簿(法人印を押印したもの)
なおこの場合の法人とは、非上場会社を指します。

てんこ盛りの会社登記

先日、登記事項が9件となるてんこ盛りの会社登記申請を行いました。

平成28年12月5日の決議をもとに、
1.目的変更
2.株券発行廃止
3.譲渡制限変更
4.任期満了に基づく役員変更
5.取締役会廃止
6.監査役の監査の範囲
7.代表取締役の住所変更
8.監査役の氏名変更

平成30年8月21日の決議をもとに、
1.本店移転(横浜→東京都新宿区)

これだけ登記すると、登録免許税が13万円もかかります。
これに、登記懈怠による過料が加わることになります。

医療法人社団の理事長の交替の登記

医療法人社団の理事長の交替の登記が無事に完了しました。

この登記には大きな問題がありました。
それは、その法人が、
「昭和63年以降何の登記もしていない」
登記を怠っている状態だったということ。

この医療法人の平成19年4月改正前の定款には、次の規定があります。
1.役員の任期は2年とする。
2.役員は任期満了後といえども、後任者の就任するまでは、その職務を行うものとする。

平成19年4月改正前の定款規定の知識が必要となります。
平成19年4月改正後は理事の任期は2年を超えることができないこととされましたが、改正前には任期に関する規定はなく、各法人が定款で上記のように定めているのが一般的でした。
そして、上記定款規定の2の項目を「任期伸長規定」と解釈をして、任期満了後につぎの理事が選任されるまでは任期が伸びるものとされていました。
そうすると、任期は再選時まで伸長されることになり、登記懈怠の問題はなかった
ということになりそうです。

平成19年4月の『医療法の一部を改正する法律』の中の附則によりますと、
1.改正前に選ばれた役員の任期は、改正前の任期で考える。
→つまり任期伸長規定を適用して構わないということですね。
2.定款は1年以内に変更しないといけない
→つまり1年は改正前の定款を認めるけど1年経ったら新法でやりますよ。

問題はどちらを優先するかということです。
これはもう法務局との事前打ち合わせが必要となりますね。

神戸法務局管轄では、任期伸長規定を優先するという考えでよさそうです。

今回は、昭和63年の登記の後に、平成30年1月の登記が入りました。
面倒なことにならなくて良かった良かったと思う次第です。

みなし解散通知書が来た!

みなし解散という登記制度があります。
12年以上何の登記もしていないと活動していない会社であるとみなされて、
法務局が職権で解散登記をしてしまうというものです。

法務局は、昨年の10月12日に,該当する法人に対し、みなし解散登記をする旨の
通知を行いました。

その通知を受けた会社から、解散登記が入る前に普通の状態にして欲しい
旨の相談を受けました。
登記簿を拝見すると、平成17年6月の登記が最後になっています。
そこで以下のような登記を行いました。

取締役A
平成16年11月30日重任
平成17年6月27日登記

平成18年11月28日重任
平成29年12月27日登記

平成28年11月29日重任
平成29年12月27日登記

赤字が今回登記申請した部分です。
他の取締役についても同様です。
平成18年と平成28年の株主総会議事録など過去の書類を
作成して登記申請をやっていきます。

但し、登記懈怠による過料が発生する可能性があります。

役員の任期が最長10年まで延長することができるようになったので、
登記を忘れがちになってしまいますが、今一度確認をしておきましょう。