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月別アーカイブ: 2022年3月

総合評価方式ー賃上げ表明で加点措置

4月から 賃上げを積極的に行う企業を調達で優遇する政府方針を踏まえ、
国土交通省は総合評価方式 を活用したすべての発注案件で新たな加点措置を導入する。一定水準の賃金引き上げで従業員 と合意したことを示す「表明書」を提出した入札参加者を加点する。
配点割合は加算点・技術 点の合計の5%以上に設定。例えば40点満点の場合、表明書提出による加点は3点(合計の 約7%)とする。4月1日以降の契約案件に適用する。国交省は各地方整備局などに加点措置 の実施要領などを周知した。賃金引き上げの表明書は入札参加者が希望に応じ提出できる。
~2022.1.7 日刊建設工業新聞より~

総合評価落札方式とは、 入札価格だけでなく技術提案(工事の質や内容など)も評価対象にする入札方式 です。 総合評価落札方式では入札金額の一番低い事業者が落札者になるとは限らず、むしろ 技術力の高い事業者ほど高く評価され、入札競争において有利 となります。

大規模災害被災後の生活再建のてびき⑥~住まいの再建~

被災後の生活再建のてびきが最終回となります。

最後は「住まいの再建」です。

応急仮設住宅や災害公営住宅は、自力での住居確保が難しい被災者のために整備されます。
一方、自宅を新築するなど自力での再建で多額の資金が必要になる場合は、被災者向けの有利な融資制度などを利用することができます。

自力での再建が難しい場合
1.応急仮設住宅
応急仮設住宅は、災害で住まいを失い、自らの資力では住宅確保ができない被災者の
居住の安定を図るために提供されます。建設型と借上げ型の2つのタイプがありま
す。
応急仮設住宅の家賃は無料ですが、家賃以外の生活費や生活用品の購入費、水道光熱
費などは居住者が負担します。また居住期間は原則2年間と定められていますが、災
害の規模や復興の状況などによっては期間が延長されることがあります。
2.災害公営住宅
災害で住宅を失い、自力で住居を確保することが難しい低所得の被災者は、県または
市区町村が、国の助成を受けて整備する公営住宅に入居することができます。家賃は
収入に応じて設定されますが、必要があると認められた場合は、一定期間、家賃が減
免されることがあります。
応急仮設住宅と異なり恒久的な住宅となるため、新たに建設される場合には提供まで
時間がかかります。入居に当たっては事前に広く公募があります。

自力で再建する場合<買う、建てる、補修、借りる>
1.被災者生活再建支援金
災害によって住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して支給
される被災者生活再建支援金では、住宅の再建方法に応じて「加算支援金」を受け取
ることができます。
2.災害復興住宅融資
被災住宅の所有者または居住者は、居住するための住宅を建設したりする場合、災害
復興住宅融資を利用することができます。災害により住宅が全壊し、そのり災証明書
が交付されているなどの要件を満たした方が利用できます。
住宅金融支援機構のホームぺージで確認できます。
なお、満60歳以上の被災者は、「災害復興住宅融資(高齢者向け返済特例)」を利
用できる場合があります。自宅の土地や建物を担保にして資金を借り入れる高齢者向
け商品で、「リバースモーゲージ型融資」とも呼ばれます。申込者が存命中は、毎月
の返済は利子だけでよく、月々の返済負担を低く抑えることが可能です。借入金の元
金は、申込者が亡くなった後に物件を売却して一括して返済するなどの仕組みになっ
ています。
3.応急修理
災害が住宅で大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊した世帯について、被災した住
宅の屋根、居室、台所、トイレなど日常生活に必要な最小限度の部分を応急的に修理
する制度で、市区町村が業者に委託して実施します。借家でも利用できます。ただ
し、応急修理制度を利用すると、応急仮設住宅への入居が制限される場合があり、修
理できる箇所や修理金額にも限度があります。
4.市区町村による独自支援
大規模災害では、国等が提供する既存の支援制度だけでなく、被災自治体が独自の支
援策を創設する場合があります。具体的には、被災者に対する見舞金、住宅再建のた
めの支援金などを支給するといった内容になっています。大規模災害が発生した場合
には、自治体から発表される生活再建支援策に関する情報についても注意してチェッ
クしましょう。

大規模災害被災後の生活再建のてびき⑤~貴重品の紛失~

権利証や預貯金通帳、印鑑などを紛失しても、それらの権利を失ってしまうことはありません。過去の大規模災害では、こうした貴重品や重要書類等の紛失に関しても、被災者の便宜を図る柔軟な措置が取られています。

銀行のキャッシュカード・通帳
銀行のキャッシュカードや通帳を紛失した場合、本人確認ができれば一定の枠内で現金を払い戻すことができます。銀行印がなくても定期預金の期限前の払い戻しに応じるとった措置もあります。
災害時なので免許証などの身分証明書類を紛失しているかも知れませんが、被災者の被災状況などを踏まえた柔軟な方法で本人確認することになっています。
詳しくは金融機関に確認してみましょう

印鑑(実印、銀行印)
実印を紛失した場合は、新しい別の印鑑を用意して登録印鑑を変更できます。既に登録されている実印の廃止手続きを取り、新規に実印を登録します。
手続きは市区町村の窓口に確認しましょう。
銀行印を紛失して再登録する場合は、新しい別の印鑑と通帳、本人確認書類を用意して金融機関の窓口で手続きしましょう。

生命保険・損害保険
保険証書を火災で焼失したり、家屋倒壊で紛失したりした場合でも本人確認できれば請求手続きは可能です。加入している保険会社がわからない場合、一般社団法人生命保険協会の「災害地域生保契約照会センター」、一般社団法人日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」へ問い合わせしてみましょう。保険契約の有無を照会することができます。
災害地域生保契約センター 0120-001731
自然災害等損保契約照会センター 0120-501331

健康保険証
医療機関では、健康保険証がなくても保険診療が受けられる特別措置が取られることがあります。この場合、氏名・生年月日・連絡先・加入医療保険者が分かる情報を伝えることで保険を適用して受診することができます。
甚大な被害があった場合には、医療費の自己負担が猶予される場合もあります。詳しくは加入している健康保険組合や自治体に問い合わせてみましょう。

権利証(登記済証)
土地・建物の権利証を紛失しても、不動産の権利が失われるわけではありません。
権利証は再発行されませんが、権利証がなくても売買などは可能です。

学用品
大規模災害で住宅に被害を受け学用品を失った小・中学校、高等学校などの児童・生徒に対しては、災害救助法に基づく現物支給として、教科書や教材、鉛筆などの文房具、ランドセルなどの通学用品が支給されます。